ワイド3・3・SUNで奈交乗りあるき(その1)




<1日目・つづき>

○酷道308号線

 関西本線で加茂まで戻り、そのまま1310発の[109]JR奈良駅行きに乗車。中乗りのLVだった。ここのバスに乗るのも久しぶりだ。中学校ぐらいのときに、友人となぜか、JR奈良駅から加茂までHUに乗りとおした。乗りとおす人が珍しかったのか、運転者さんが僕たちに話しかけてきてあれこれおしゃべりしたのを覚えている。

 近鉄奈良駅で下車。少し遅い昼食をとり、14:51発の[48]学園前駅行きに乗車する。車両はLTだ。学園前へ行くなら、近鉄奈良駅からならそのまままっすぐ阪奈道路を行けばいいのだが、48系統はあえて阪奈は通らず、尼ヶ辻・東坂などの住宅地を抜けて学園前に向かう。しかも、国道308号線という、屈指の狭隘路を通るため、LTなどの大型短尺車での運行となっている。奈良市内では珍しく、南海太郎放送が健在で非常に懐かしい。この路線も確か中学生のときに乗ったことがあり、車両は初期型のLTだったと思う。

 人や車が多数行き交うJR奈良駅前を過ぎ、大森町交差点を右折、JRを陸橋で超え、あとはひたすら西へ向かう。国道24号線をくぐったあたりから、国道308号線となる。三条大路五丁目の交差点でY字路になっており、右に行くとそのまま阪奈道路に合流するようになっている。一方左(というか直進に近いが)に行く道は、センターラインのない狭い道で、標識の行き先は「尼ヶ辻駅」となっている。普通に考えれば、阪奈道路に合流するほうが、国道かと思うが、実は左にいく狭い道が国道308号線である。バス路線は尼ヶ辻駅を通るので、左の狭いほうの道へと入っていく。近鉄橿原線の踏切が見えてきて、尼ヶ辻駅到着。バスの転回場が左手にあり、交通整理の警備員も待機している。県立奈良病院と尼ヶ辻駅の間の区間便はこの転回場で折り返す。

 踏み切りの幅が狭いため、対向車が途切れるのを見計らって、一気に通過。対向車をうまくかわしながら、LTはすいすい走る。中町東坂付近は、この路線の難所で、とても国道とは思えない狭さである。それでもLTは、対向車をよけさせたり、下がらせたりしながら、ガンガン突き進んでいく。

 東坂で右折。狭隘路から抜け出す。右折した先は県道だが、こちらのほうが道幅が広い。県道より狭い国道308号って・・・。

 奈良国際ゴルフ場で阪奈道路を越え、学園前の住宅地へと入っていく。平日の昼間なので、このあたりは車の通りがすくなく、学園前駅のロータリーにもスムーズに入ることができた。



○学研都市と昔からの田舎の風景が同居する精華町

 学園前駅の北口に回り、今度は光台を経由して祝園駅へ出ることにした。1553発のけいはんなプラザ行きに乗車。いすゞLVの大型3扉車だが、それでも立ち客が出た。学園前ではバスが本当に必要とされていることがわかる。中南和の田舎でもこれぐらい乗ってくれる人がいたら・・・と思ってしまう。

 乗客が多いのは、登美ヶ丘の中だけで、押熊・神功まで来ると乗客は数名になった。

 国道163号線を越える手前で京都府相楽郡精華町に入った。今日は、奈良と京都の府県境を行ったりきたりしている。とりあえず祝園駅行きに乗り換えようと思い、けいはんなプラザで下車。15分ほど時間があったのでぶらぶらしたりコンビニに行ったりして時間をつぶし、光台一丁目で光台循環・祝園駅行きをつかまえた。新しく立て替えられた精華町役場の前を通り、10分ほどで祝園駅着。駅前は広場の工事中で、バスの待機場も狭くなっていた。

 ちょうど1655に東畑鳥谷行きがあったので行ってみることにした。平城のいすゞLTだった。ここも奈良交通としては、3月限りで路線休止となったが、他の路線と違いこちらは4月からエヌシーバスが走り始めている。

 東畑鳥谷行きは乗客3名で発車。いきなり祝園駅から終点まで自由乗降とのことで、どんなところを走るのかとおもってたら、期待通りの田舎道で、しかも上り坂が連続し、昔からの集落の中を肩身を狭くしながら走る。途中には自衛隊あり、ヘアピンカーブの上り坂ありと変化に富んでおり、終点までの20分間は本当にあっという間だった。

 学研都市のある光台、昔からの田舎の風景がある東畑、どちらも精華町である。

○地図を持たずに大失敗

 東畑鳥谷からは田辺方面に抜けようかと、数百m先の打田まで歩いたが、バス停の時刻を見ると1時間前に最終バスが出た後だった。さてどうしたものか。手元には地図もない。人も歩いていない。道路の標識を見ると、「高船」という文字が目に入った。

 確か富雄駅-傍示間の路線に「高船口」っていう停留所あったよなぁ・・・。っていうことは近いのか?よっしゃ歩いてみよう。

 ということで、「高船」の表示にしたがって、山の中の県道を歩き始めた。ひたすら上り坂である。地図も持たず標識だけを頼りに歩くというのも不安なものだ。20分ほどかかって高船の集落に到着。さらに奈良県側を目指して歩くが、やたら上りが多く疲れてきた。40分後、奈良県生駒市の看板が見えたころには、正直ほっとした。そこから先は下り坂となり、遠くのほうに県道を行き交う車が見えてきた。多分あれがバスの通る道だ。すでに日が暮れており不安になっていたが、行き交う車のヘッドライトが見えて元気が出た。18時過ぎ、高船口停留所に無事到着。やや遅れてやってきた1813発富雄駅行きをつかまえることができたのだった。

 実はあとで家に帰って調べてみたら、東畑鳥谷から西へまっすぐ歩いていけば、一番距離が短かったことがわかりがっくりした。オレはいったい何をやってたんだ・・・。

 傍示からやってきた[53]富雄駅行きは、いすゞLT。運賃先払いだったのを忘れていて、前扉が開いたのにちょっと驚く。すでにあたりは真っ暗で、ほとんど景色は見えないが、かなりの狭隘区間を走っているのだけはわかった。次はぜひ昼間に訪れてみたいものだ。

 近鉄で富雄から近鉄奈良へ移動。駅前のバス乗り場は通勤帰りの乗客の長い列ができている。[50]天理駅行きで帰途につく。HUの車内は、やはり通勤帰りの乗客で立ち客が出る盛況。乗り場にできた長い列といい、立ち客の出るバスといい、中南和地域ではどちらも見られない現象だ。

 しかし多数の乗客も、紀寺住宅・古市あたりまででほとんど下車。盛況なのは奈良市内だけだった。

 今日は早朝から徒歩も交えていろいろと移動してつかれた。早く寝て、あと2日間ののりあるきに備えよう。

<1日目・終わり>

前のページへ戻る

バス旅日記メインに戻る



SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送