東吉野気まぐれ乗り継ぎ




 2003年10月 4日の旅日記です。

 この日の行程は、

榛原駅 950(20系統・天満台東三丁目行き)1002天満台東三丁目…(徒歩)…榛原駅1056(1系統・大宇陀行き)1116大宇陀1134(70系統・菟田野町行き)1142菟田野町役場前…徒歩…菟田野町1220(71系統・杉谷行き)1252高見平野1432(系統なし・新子行き)1513新子1531(82系統・八木駅行き)1655八木駅

でした。



 実は、東吉野の山の中まで行くつもりはなかった。

 ただ単に、榛原の1系統や20系統に南海太郎テープが残ってるかな…というくだらない理由で、近鉄で榛原へ向かっただけだった。とりあえず録音して、適当に切り上げて帰るつもりだった。しかし気づいてみれば…東吉野の山奥に来ていた。

○榛原に南海太郎をたずねて

 実は僕の住む桜井には、南海太郎テープをオンエアして走るバス路線はもうない。2003年3月末で休止となった34系統が最後の南海太郎だった。桜井駅南口開業に伴う路線改変により、今から10年ほど前に、桜井から南海太郎テープはほぼ姿を消したのだった。

 しかし榛原駅発着の路線はどうだろう。昔からの南口発着の路線をみてみると、1系統・大宇陀行きや20系統天満台行きとか、昔から路線は変わってないはずである。とすれば、南海太郎は残っている確率が高い(と思う)。

 9:40過ぎに榛原駅に降りる。大宇陀行きや天満台東三丁目行きが1時間に3本発着する様子を見ていると、バスに関しては、桜井駅前よりもかなり活気があるように感じられる。

 とりあえず、20系統、天満台東三丁目行きに乗ってみた。日野HU。おばあさん一人と制服を着た高校生の女の子一人。とりあえず、録音用のMDで録音開始。さあ来てくれ。

「ただいまテープのテスト中 榛原ネオポリス線…」

 南海太郎キター!!!しかもテープテストのおまけつき。

 終点まで10分あまり、しっかり南海太郎テープを録音させてもらった。

 別に急ぐ旅でもないので、帰りは榛原駅まで歩いた。

○途中で目的変更

 次は1系統・大宇陀行きに乗ってみる。このバスに乗るのも久しぶりだ。10年ほど前、まだ、2系統・大宇陀茶町経由の大宇陀行きが走り、大宇陀・三茶屋乗継で榛原駅までいけたころ、友人と2人で上市駅まで乗り継いだことがある。それ以来である。ちなみにそのころは上市駅まですべて南海太郎テープが現役だった。

 10:56、榛原駅発車。さあ、南海太郎来てくれ。

「おまたせいたしました。ご乗車ありがとうございます…」

 あれ…?女声放送?何で…?何が変わった?理由は下井足(しもいたり)口を出てすぐわかった。以前1系統は、下井足口の次は中西で、あいだにあった榛原大橋をとばしていたのだが、最近になって、榛原大橋に停車するように改められたようである。ちょっと残念。でも停留所が増えて便利になったのだから、利用者としては喜ぶべきことである。

 20分ほどで大宇陀到着。数年前に道の駅ができて、バス待合室と統合された。土曜日のせいか、駐車場は満車。ちゃんとバスのりばがあるのだが、駐車禁止の表示があるにもかかわらず、一般車が2,3台停車しており、バスは止めにくそうだ。

 さて、南海太郎はもうなさそうだし桜井へ帰ろうかな…と思ったら、13時まで桜井駅行きはないことがわかった。昔は1時間に2本は走ってたのに…。知らないあいだにこんなに本数が減ってしまっていることに驚く。

 さてどうしよう。

 いろいろと考えた結果、1134発の菟田野町行きに乗り、とりあえず、菟田野町まで移動。そこからさらに榛原駅から来る杉谷行きがあれば乗っていってみることにした。途中の高見平野で降りれば、「たかすみの湯」に行って温泉に入れるはずだ。

 というわけで南海太郎を探す旅は、東吉野の温泉を訪ねる旅に変更となった。

○忘れられた旧国道を行く

 とりあえず、桜井からやってきた1134発[70]菟田野町行きに乗車。バスは、国道166号線を東進する。岩清水から菟田野町となり、途中の岩崎・岩崎東口で桜井方面から乗ってきたお年寄りと大宇陀から乗った20代ぐらいの女性が下車。お年寄りが運転者に「どうもお世話かけました。」と丁寧にお礼を言っているのを見るとなんだかほのぼのする。古市場地蔵の辻で中年女性が下車すると、乗客はいなくなった。

 昼食を調達するため、菟田野町役場前下車。次に乗る[71]杉谷行きの時刻を確認しておく。周辺の田んぼでは稲刈りが始まっていた。いい天気で、仕事もはかどることだろう。

 確かローソンがあったはず、としばらく166号線を歩くと、歩いて5分ほどでローソンに到着。気づいたら次の松井天神社前停留所だった。とりあえずおにぎり2個とお茶を確保。さらに菟田野町停留所まで歩いて、落書きだらけの待合室でおにぎりをたべる。

 バスの発車時刻5分ほど前にどこからかおばあさんが一人現れた。1220過ぎ、[71]杉谷行きが到着。おばあさんと僕の2名が乗り込む。車内にはおじいさん1人、おばあさん2人が先客だった。おばあさんたちはみんなご近所さんみたいで、雑談が始まる。どうやら、菟田野町から乗った人は、病院の帰りらしい。

 佐倉峠を出ると、東吉野村に入る。佐倉峠から鷲家(わしか)まで約2kmの間、停留所はない。自由乗降の降車指定地もない。鷲家まで民家がないので当然なのだが、佐倉峠まではバス停の間隔が短かっただけに、鷲家までの間が長く感じられた。

 国道の鷲家トンネルの手前で鷲家の集落にはいり、おじいさん一人下車。細い路地のような旧道を通り、国道に戻ると、ここから「○○宅前」などの降車指定地が続いた。木津トンネルがみえてくると、右の分岐をさして「伊豆尾」と標識が出てくる。標識の通り右に分岐していく登り坂があり、バスはトンネルに向かわずその分岐している方の登り坂を登っていく。これが昔の166号線だそうで、1.5車線ぐらいの狭い道だ。坂をのぼりきると、短いトンネルをくぐり、そのトンネルを出たところに三叉路がある。そこが木津峠停留所だった。

 直進するとそのまま旧国道ルート、右に行くと伊豆尾の集落に向かうのだが、停留所は、その右に分岐している方の道に設置され、古い待合室も設けられていた。

 木津峠から下りとなり、バスは、杉の繁った山の中を、さらに進んで行く。木津下垣内あたりから木津の集落となり、民家がちらほら出てくる。いつの間にか右手の視界が開けて、谷を流れる高見川や国道・民家を見下ろすことができた。 

 木津中垣内を出て広いところで、バスはハザードを出して停車。時間調整だろうか。2、3分ほど待っていると、対向のRH 新子行きが現れた。道路が狭いので、対向する場所が決められているのだ。鉄道の単線区間のようで面白いが、これも、狭隘区間を円滑に運行するための工夫である。

 いったん国道を渡り、木津停留所によったあと、また、国道を渡る。旧道を忠実にたどっているためにこのようなことになっているのか。

 杉谷出合橋から、高見平野によるために、県道28号に入る。旧166号より、道路の状態がよく、ほとんど2車線である。右手にたかすみの湯が見えてくると、程なく、高見平野に到着した。たかすみの湯に寄るために僕はここで下車した。

 民家の庭先を借りたような所に停留所の標柱があり、バスは、ここでバックで方向変換し、杉谷出合橋に向かって戻って行った。



続きを読む
バス旅日記メニューに戻る



SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送