越後路気まぐれバスの旅




 2004年6月26/27日の旅日記です。




 新潟県を訪れていつも思うのが、とにかく道路の整備が行き届いていること。これだけは感心する。やはり大物政治家の力だろう。

 では公共交通はどうなのか?

 今回は、新潟交通のハコMRを訪ねて新潟を目指したのだが、その過程で新潟交通・新潟交通西・越後交通・越後交通県央観光のバスを利用した。乗車していろいろと感じたことをつづっていきたい。




○ハコMRを探して

 松本から信越線・弥彦線を乗り継ぎ、やってきたのは燕三条駅。

 ここ燕三条駅の近くには、新潟交通西の三条営業所があり、新潟交通グループに所属するハコMRの3台の内の何台かがここにいるという。

 奈良県では今年の3月で全廃となってしまったハコMR。わくわくしながら、まず燕三条駅のバス乗り場に行くが・・・。バスは16時代で終了していた。

 まあそれでも営業所に行けばひょっとしたらいるかもしれないと期待し、地図で調べた情報を頼りに三条営業所を目指して歩く。

 駅から国道8号線に出て、長岡方向に歩くこと10分。三条営業所の停留所があり、はて、どこが営業所かと周りを見渡すと、日産の販売店と自動車整備工場の間によく見たらバスが何台か止まっており、それが三条営業所だった。

 敷地の外から、営業所の構内を見渡してみると・・・奥のほうにふそうエアロミディMJと並んで止まっているハコMRを発見。営業所の人に断って、中で写真を撮らせていただこうかとも思ったが、そこまでしたくないし、裏からまわれば近づけそうだったので、裏に回り、しっかりハコMRの写真を撮らせていただいた。ちなみに方向幕はなぜか[貸切]表示だった。ということはあまり稼動してないのか?

 とりあえずハコMRに再び出会えたことで満足し、この日はホテルに引き上げた。

○中越・上越バス乗り継ぎ

 昨日は、三条でハコMRに出会えたが、実際走っているところを見てみたい。吉田・弥彦方面に行けば、弥彦営業所所属のハコMRが走っているかもしれないと期待し、燕三条から吉田・弥彦を目指す。

 朝、よく時間を調べずに10:20ごろに燕三条駅に出向くとなんと弥彦線の吉田方面はは12時代までないではないか。

 しまったと思い、とりあえずあまり期待せずにバス乗り場へ。

 すると、10:38に越後交通県央観光バス(越後交通の分離子会社)の燕駅行きがあり、とりあえずこれに乗り吉田方面を目指すことにした。

 6名ほどの乗客を乗せた燕駅行きは定刻にバス乗り場に現れた。車両は富士重工ボディーのいすゞLTだ。次の地場産センター前で、自分以外の乗客はすべて下車。近くには県央SATYをはじめとした、大きなショッピングセンターがあり、おそらくそこへ向かう客なのだろう。

 バスは、国道293号線を走らず、県道を走っていく。燕市街に入ると、いきなり一方通行の狭隘路に突入。それをそのまままっすぐ抜けていくと、終着の燕駅だった。結局地場産センターから乗車0のままだった。

 うまい具合に約30分待ちで新潟交通西の11:30発、弥彦行きがあることがわかり、駅の待合室でしばし待つ。この弥彦行きは、新潟駅からの高速バスで、途中の停留所でも乗降できるようだ。

 定刻より少し送れて現れた弥彦行きは高速バス仕様のUD車。こちらはさっきのローカルバスと違ってさすがに10名ほどのっており、燕駅からも自分を含めて3名乗車した。普通高速バスは、始発エリアは乗車のみ、終着エリアは降車のみという場合が多いが、この辺は自社エリアで完結するためか、ローカル輸送も行っており、この先も途中停留所からの乗車があった。

 やはり市街地を通るためか、国道はほとんど走らず、燕市街地をぐるっと回って、そのまま県道を走った。途中の吉田役場前は吉田駅の裏側で、ここで降りてもよかったが、とりあえず終点の弥彦まで乗ってみる。

 弥彦村に入り、弥彦村役場前付近で大きな鳥居をくぐる。村全体が弥彦神社の境内という考えなのか、ただの観光用のモニュメントなのか。

 弥彦神社付近に来ると、右手に弥彦営業所が見えた。よく見たらハコMRが2台停車していた。ということは今日は動いてないのか?たまたま休んでるだけなのか?

 弥彦神社前でほとんどの人が降りたが、一応終点の弥彦公園まで乗車。12:00ぐらいになっていた。

 とりあえず弥彦駅に向かって歩く。5分ほどで駅前に到着。新潟交通西の停留所があったので発車時刻をチェックしてみると、次は13:40までないらしい・・・。ちょっと待てないので、ここでバスを待つのは断念。弥彦線のほうは、ちょうど12:13発の東三条行きがあったので、そちらに乗車し吉田へ移動する。

 とりあえず吉田駅の駅前に出る。周りを見渡すが・・・。バス停が見当たらない。もう少しよく探してみると・・・駅前の商店の屋根の下にあった。早速時刻をチェックすると、吉田駅から出ているのは間瀬行きのみで1日3本。しかもうち2本は土曜休日運休で、今日は1本だけ。しかも、その1本だけのバスが、12:35発らしい。

 ハコMRに期待してしばし待つこと5分ほど、やってきたのは・・・ふそうエアロミディMJだった。まあそれでも1日に何回も見られないバスなので、しっかり写真に収めておく。

 コンビニ弁当で昼食とし、吉田役場前13:20発の高速・新潟駅行き(新潟交通西・弥彦営業所)に乗車。どうしようかと考え、とりあえず帰りは、高速バスを乗り継いでいけるところまでいってみることにした。

 バスは、さっき路線バスが通ったのと同じ一方通行路に入り、燕駅前を経由。国道を東進する。三条燕インター東停留所を通過し、三条燕ICから北陸道に入る。長岡方面ならここで降りればいいと思うが、本線上の乗り場がいまいちわからなかったので、次の巻・潟東まで乗ることにする。インター付近から、JRの燕三条駅が見えており、インターと駅が意外に近いことにこのとき気づく。

 バスはETCを搭載しているようで、料金所の専用レーンをゆっくり通過。ETC搭載のバスは、三重交通の高速バスでも体験しているが、結構このごろはどこでもETCを採用しているのだろうか。

 しかし北陸道は久しぶりに走った。以前仕事で自分の車で走ったことはあった。今回は、路線バスであるが5年ぶりぐらいだろうか。バスから見る車窓も目線の高さが違ってまた新鮮である。

 北陸道を新潟方面に走ること10分弱。13:50ごろ、本線上に設けられた「巻・潟東」に到着。巻・潟東IC併設であった。ここで、反対方向の長岡・柏崎方面のバスに乗り換える。

 反対側のバス停に向かう途中、バス利用者用の無料駐車場があった。パーク&ライドが定着しているようで、多数の車が駐車されていた。

 反対側に到着して、バスの時刻表を確認。その本数の多さに驚く。長岡駅行きが1時間に2本、柏崎行きが1本・高田行きが1本・十日町行きが1本と、方向は違うものの、新潟-長岡だけなら1時間に5本(注:昼間に限る)はあることになる。さらに巻・潟東より北だと、さらに区間便が増えるので、まさに高速バス大通りである。

 とりあえず、14:01の柏崎駅前行きがあるようなので、それで柏崎ICまで移動することにする。

 定刻より少しだけ遅れて到着した柏崎駅行きは、越後交通の車両だった。こうやって予約なしで小銭を握り締めて(1000円以上だと小銭を握り締め・・・というわけには行かないが)気軽に乗車できるのはうれしい。各社とも整理券の後払い方式らしく、普通の路線バスと変わりない。さらに新潟県内の事業者共通高速バス線用のバスカードも発売されており、割引率も高い。僕が乗車したこの日も現金の客は少なくほとんどがバスカードを利用していた。

 ぱっと見て柏崎駅行きは10名ほど乗車していたが、三条燕と長岡北で5〜6名下車した。

 長岡JCTで、関越道が分岐というか、関越がそのまま直進で北陸道が分岐する形でわかれる。道は極めて空いており、順調に走る。

 西山はいったん料金所を出たところに停留所があり、一部の高田・直江津方面行きは西山通過となる。ここで一人下車。

 峠を越え、柏崎市に入る。14:50すぎに柏崎IC到着。柏崎駅行きは一般道に出たところが停留所だった。

 柏崎止め以外のバスは、インターチェンジ内の停留所に停車するのでそちらに移動。次は約30分後の15:21発高田駅前行きなので周辺をふらふら。信越線の茨目駅が近いらしく、0.7kmの案内が出ていた。もっともこんなところで乗り換える人もいないだろうが。

 15:21発の高田駅前行きは5分ほど遅れて到着。新潟交通の担当。やはり車両は日産ディーゼル。ぽつぽつと雨が降り始めた。ほぼ各2列シートに1人座っている状態で、やっと1箇所2列あいているところを見つけ着席する。

 米山パーキングエリア付近では、右手に国道8号線の米山大橋とわずかではあるが日本海の景色を望むことができた。しかし日本海の景色はやはり信越線には勝てない。車窓を楽しむなら鉄道、単なる移動手段として考えて経済性を重視するなら高速バスといったところか。

 潟町で6名ほどが下車。信越線の駅もあると思うが、優等列車も少なく、乗換えがあるから、こっちのほうが便利ということか。

 上越インターで北陸道を降り、インターを出た上越インター富岡でも5名ほど下車。近くにはバス利用者用の駐車場があるようだ。JRでも最近は、駅構内の駐車場を特急利用者に提供するサービスを行っているところがあるが、このあたりはもう少し鉄道側も見習う必要があるだろう。

 国道18号バイパスを長野方面へと向かい、寺インターで県道に下りると、高田市街地に入った。上越市は、2つの市(直江津市と高田市)が合併してできた市であり、そのため直江津と高田の2つの市街地がある。新潟からの高速バスも一部は直江津駅を経由する。

 16時過ぎバスは終着の高田駅前ロータリーに到着した。かなり常連が多いようで、乗客の8割はバスカードを利用しているように見えた。




 2日間で、ハコMRを訪ね、新潟の高速バスを乗り継いだ旅であったが、衰退するローカルバスと、躍進する県内高速バスが対照的だった。ローカルバスの分社化が活発で、今回乗り歩いたバスも、高速バスは本体の新潟交通や越後交通が運行しているが、ローカルバスは分社子会社の、越後交通県央観光や新潟交通西といったところが運行しているケースが多かった。これからのバス会社のありかたを新潟県に見たような気がした。



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