ローカルバスで温泉へ


 4月27日の旅日記です。この日の行程は、

桜井駅南口835(35系統・岡寺前行き)900岡寺前923(2系統・橿原神宮駅東口 行き)936橿原神宮駅東口945(85系統・湯盛温泉杉の湯行き)1009大淀バスセンター 1037(26系統・五條バスセンター行き)1111五條バスセンター1302(2系統・湯の峰温泉 行き)1330城戸1530(20系統・下市口駅行き)1619下市口駅1640(221系統・八木駅行 き)1725八木駅

でした。



○飛鳥経由で橿原へ
 27日、いい天気になった。久しぶりにエヌシー吉野に勤める友人に会いたくなり、 バスに乗りに行くことにした。後は自分の心療内科的なリハビリも兼ねている。前日 に上記のような計画を立てておいた。

 自転車に乗って桜井駅へ。桜井駅からバスに乗るという機会も少なくなった。今 回、桜井から岡寺経由で橿原神宮へ抜けることにしたのは、実は生まれてからいまま で、この路線を全線走破したことがなかったからである。

 835発の岡寺前行きは、6名乗車。僕以外は明らかに観光客で、地元の利用は0であ る。車両は榛原のRHで、東吉野の山間部へ行く運用もある。バスは駅を出ると165号 線に出て右折。済生会病院の手前の信号で左折して、旧街道の狭い道に入る。安部文 殊院前を通り、生田から県道に入る。飛鳥資料館前から明日香村に入り、そのさきの 信号を左折して石舞台方面に進路をかえる。

 途中万葉文化館という施設ができており、バスもそこに立ち寄るようになってい た。朝早いので乗降なし。次の治田神社前で一人下車。実は岡寺へはこのバス停が最 寄りなのだが、バス停の名前は「治田神社前」。「岡寺前」バス停は、丘を下った参 道の入り口にある。何も知らずに終点まで乗ると、バスで走った道を逆戻り(という かショートカットするのだが)する形になり、延々と坂道を歩かされることになる。

 石舞台の次の島之庄で2人下車。一方通行区間に入り、岡寺前到着。バスはこのあ と、そのまま一方通行に従い、岡戎前-岡橋本-明日香観光会館前-島之庄とまわっ て、桜井駅に帰っていく。この一方通行区間で降りる人は引き続き乗っていっていい 仕組みのようだ。

 暇つぶしに川原寺跡まで歩いて、再び岡寺前バス停に戻る。

 次の23分発橿原神宮駅東口行きは、葛城のいすゞLTだった。この車も、南は五條か ら、北は広陵まで運用範囲は幅広い。

 明日香の道は狭い。本当に狭い。よくこんなところに大型車が走っているものだと 感心する。飛鳥大仏では交互信号にも引っかかった。豊浦の先も狭い道で、橿原和田 ・和田西口と、対向車をうまくかわしながら進んでいった。しかし、両側に家の軒先 が迫る狭い道をすいすい走らせる運転者の技術には感心したが、クラッチに足を乗せ たまま運転していたのと無愛想だったのは感心しなかった。

○高級感のあるバスで吉野へ
 定刻に橿原神宮駅東口に降り、急いでトイレを済ませると、タイミングよく、次に乗り継ぐ945 発の85系統・湯盛温泉杉の湯行きがやってきた。車両は吉野のRH。

 桜井駅から乗ったのもRHだったが、吉野仕様は少し違う。まず座席の背もたれが高い。そして座 席数が多く、葛城・榛原の車が通路をはさんで1人がけのいすが並んでいるのに対し、通路をはさん で1+2の配置になっており、しかも、補助いすがついている。長距離路線のある吉野営業所ならで はの仕様だと思うが、なんとなく高級な感じがする。

 大淀バスセンターまでの約25分間、音楽を聴きながら後ろのほうでうとうと。169号線で芦原峠 を越え、定刻どおりに大淀バスセンター着。

 吉野営業所の駐車場に、ちょうどいすゞMRのハコ形車がとまっていたので、手持ちのデジカメで 撮影しておいた。もう定期運用にはつかないと思われていたが、今日は、「[26]五條バスセン ター」の表示幕を出して休んでいた。後で友人に聞いたところによると、吉野山の臨時バスで結構 活躍しているそうだ。

 近くのライフ大淀店を往復して時間をつぶし、1037発の26系統・五條バスセンター行きを待つ。 このバスは友人の担当だと昨日教えてもらった。定刻になって、友人の運転するRX18号車が車庫 からバスのりばにやってきた。挙手して、こっちを見てニコニコしている。

 このRXは、郡山や葛城にいる車と違って、トップドア。先ほどのRHと同じく吉野仕様で、座席は 1+2となっている。このため立客の分の定員が減るので登録は、小型登録で「奈良200 あ・・18」 (大型だと、奈22 か・947とか、奈良22 き・157という風になる)となっており、ナンバープレー トのサイズも小さい。

 客は僕一人で発車。しばらく友人と雑談しながら走る。休みの日は客が少ないのに車の数が増え る・・・と友人はぐちっていた。

 下市口駅で3名乗車。基本的に運行中の雑談はよくないので、雑談はここまで。僕は、音 楽を聴きながらうとうと。370号線を五條へ向けて走り出す。西町五丁目を過ぎると、佐名伝(さな て)の集落に寄るため、国道を外れて右の狭い道へ入っていく。道幅はバス1台でいっぱいいっぱ い。ゆっくりゆっくり進み、佐名伝市場前で乗客1名乗車。

 再び国道370号線へ戻る。東阿田で時間調整のため2分ほど停車。そのあと西阿田・山田口と1名 づつ降車。三在峠をこえると、五條市にはいる。国道24号線に出て、国道三在で一人下車。そのあ と、上今井で一人乗車、次の栄山寺口で一人下車と、結構乗降がある。吉野と五條の間は鉄道がな いため、そこそこ需要があるらしい。

 1111定刻に、五條バスセンター到着。友人の運転するRX18号車には、今日この後また乗る予定な ので、また後で、と言って別れる。RX18号車は1113発の大淀バスセンター行きとなってすぐ発車し ていった。

○西吉野の温泉に立ち寄り秘境のローカルバスに乗る
 五條バスセンターの近くのファミレスで昼食を食べ、そのあと、歩いて五条駅まで往復。五条駅 からは、以前JRバス坂本線が発着していたが、昨年10月に廃止となり、今は、奈良交通がその路 線を引き継いでいる。坂本線は途中の霊安寺から終点の城戸まで、バス専用道路を走っていたのだ が、廃止になってからも、引き続き奈良交通バスがその専用道路を走っている。

 1302発の2系統・湯の峰温泉行きは、十津川のRHだった。このRHも吉野と同じ仕様で、座席数も 多い。僕を含めて3名乗車して発車。湯の峰温泉へは特急バスも走っているので、テープ放送で は、わざわざ「各停でございます」と案内していた。ちなみに後で調べてみたら、湯の峰温泉行き は1302発の1本のみで、途中2回休憩をはさんで、終点につくのは、4時間後の1707だった。

吉野川を泳ぐこいのぼり
◆吉野川を泳ぐこいのぼり 2系統・湯の峰温泉行き車内から撮影

 168号線を、約30分ほど走って、城戸で下車。ここで、1530発の20系統・下市口駅行きに乗車す るまでの間、日帰り温泉施設の「きすみ館」で、温泉に入ることにする。

 歩くこと10分、目的のきすみ館についた。この日は、天気がよく気温も上がったので、きすみ館 についたころには、少し汗をかいていた。600円払って、さっそく入浴。3人ほど先客がいた。風呂 から出た後は、ロビーでしばらく休憩。利用した感想だが、風呂から出た後に休憩する場所がある ことはあるのだが、狭い気がした。しかも、畳ではなく、いすが並んでいるので横になれないのは残念だった。ただ、従業員の方は応対が丁寧で好感が持てた。

むすばれ橋
■むすばれ橋停留所 20系統に乗った場合は、ここか、もうひとつ下市よりの降車指定地が、西吉野温泉「きすみ館」への最寄。

 時間が迫ってきたので、城戸バス停まで戻る。1520過ぎ、友人の運転するRX18号車が「[20]■城 戸」(■は自由乗降マーク)の表示を出して、やってきた。カメラを向けたら笑っていた。

坂本線跡の下を走るRX
◆坂本線跡の下をくぐるRX

 RXは、転回するために、いったん168号線を大塔方面に向けて登っていったあと、1530ちょうど ぐらいに、「[20]■下市口駅」の表示を出して、また168号線を下ってきた。乗客は自分ひとり。 貸切状態だ。

城戸停留所に到着したRX
◆城戸停留所に到着したRX

 友人は、僕と雑談しながら、RXをゆっくり走らせる。速度は、20km/hぐらいだ。昔のバスの性能 に合わせたダイヤになっているため、これぐらいゆっくり走らないと、早着してしまうそうだ。途 中、何回も後からくる乗用車に道をゆずっていた。 

 下市中学校前まで自由乗降区間になっており、いくつか降車指定地というものが設けられてい る。これらはバス停ではなく、降りる場所が決められているだけである。もちろん降車指定地につ いてもテープで案内放送が入る。

 普通、降車指定地には、「降車指定地 奈良交通」と書いた白い棒が立っていたりするのだが、 ここの路線はそういうものがあまり見当たらない。それでも友人は、場所をしっかり覚えていて(覚えてい て当然だが・・・)、放送をながしていた。○○宅前といった人の家の名前の所も多数あった。

 このバスが走る県道もかなり改良が進んでいるものの、所々、狭い所があり、道の形を知らない 車が、対向出来ずに困っている場面を何度か見かけた。そのため、この辺(吉野地区)を走るバスや トラックは、無線機を持っており、決まった場所で現在地を報告しあい、対向が困難な場所に差し 掛かる前に、広いところで対向して来る大型車を待つ、ということになっているそうだ。友人いわ く、トラックは、まず平日しかこないとのことだったが、それでも、ときどき、無線のマイクを持 ち、現在地を報告していた。このあたりを走るとき、無線機や受信機を持っていれば、バス・ト ラックの交信を聞いて、対向して来る大型車があるか確認できて便利だろう。

 バスはいつのまにか下市町に入り、地蔵で停車。ここで下市からくるバスの対向待ちをするらし い。2、3分ほどして、対向のRXが現れ、お互い挙手を交わして発車。

 下市町役場の手前で、やっと国道309号に入り、広い道路になった。と思ったのもつかの間、下 市の町内に入っていくとまた狭くなった。路上駐車もあり慎重に走る。千石橋で吉野川を渡ると、 下市口駅前の商店街へ入り、1617に終点の下市口駅に到着した。途中、乗客は0。僕がいなかった ら空気輸送になるところだった。友人いわく、いつもこんな感じだという。よくこんな路線が残っ ているものだ。

 友人は、僕をおろした後、バスを所定の場所に駐車し、しばらく携帯電話で話をしていた。今日 は、このあと、1時間ほど休憩し、1715発の4系統・笠木行きに乗務して、むこうで宿泊となるそう だ。ごくろうさま。

 僕は、この後、1640発の221系統・八木駅行きに乗車し、帰路についた。

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 いつも吉野のバスに乗って思うことだが、毎日狭い山道を気を使いながら走るのは大変なことで ある。友人もよくがんばっている。どんな仕事にしろ、やはりそれぞれ、苦労があり楽な仕事はな い。あらためてそう感じた。

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